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彼が現れたのは5限目の終わった直後であった。
「やあKちゃん、どうしたの」 「林田さん……。」 隣の席から椅子をひいてきて座る。 心なしか顔色が悪い。 「さっき、怖い夢をみたんだ…。起きたら冷や汗かいてた。」 「へぇ、夢」 怖いのが苦手なのは知っている。 「どんなんよ?」 どんな怖い夢が、君を私の所へ連れて来たの。 真摯な眼と目があった。 「くちびるが拡大してくんだよ…………!!!!!!! いや、正確にはくちびる自体がでかくなってくわけじゃないんだけどね、ココが!!この下ん所がくちびるになっていくんだよ!!!!!」 そう言って彼は自分の唇の下の皮膚をさする。 「ある朝俺が起きて顔洗うときに鏡を見てるわけ、そしたらだんだんココの肉がくちびる化してくんだよ!! 一瞬気のせいだと思うんだけどさ、じわじわと侵食されてくんだよ肉部分が。 でも顔の下半分が全部くちびるになっちゃうわけじゃなくて、微妙な大きさで止まるんだよ……明らかに違和感を感じるけどまぁアリかな程度の大きさにとどまるんだよ。 それが逆にえげつないんだよ!!!! いっそ人間じゃないってくらいになってたら『あー、あの人病気かなんかかな』って思われるけど、『ちょっとくちびるがキモいくらいデカい人』どまりなんだよ!!!そんな半端さは嫌だぁぁ!!!!!」 超コッエー、と未だ彼は熱っぽく語っている。 私はそんな彼に微笑みかける。 「Kちゃん超ーーーキメぇー」 そんな昼下がり。 |
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